ベッソンのメアモデル kanstulによる復刻バージョンです。オリジナルのフォンテーヌ・ベッソンMEHAは近代トランペットの祖であり一つの完成形と言われ、BACHやBENGEはこの楽器を模範として設計したとされます。オリジナルのBESSONはBACHがより大音量に対応したストラドで席巻するまでクラッシック、ジャズを問わず当時のトッププレイヤーに愛用されました。現代でも小さめの箱で木管的なウッディな音色を求める場合は一線級の楽器だと思います。近年ではBach のNew York 7やCommercialはニューヨークバックあるいはシカゴベンジ引いてはBESSONのオマージュとみられ、その他にもバーバンク(これはカンスタルですが)、シャイアーズ、VIRTUOSOなど改めて多くのメーカーがMEHAモデルとその派生へつながるオマージュモデルを開発販売してきました。カンスタルはこれらの中でも最初期にMEHAの重要性と完成度に気付いてモデル名メーカー名までそのままの復刻版を出していました。復刻にあたってbessonのエキスパートHAL氏の協力があったことが公表されていますが、そのHAL氏本人へ個人的に作られた個体も同時出品していますのでよろしければご覧ください。ブルブテのMLボアに対してMEHAはLボアと言われますが現代の感覚ではMLかMボアの印象です。10-1/2cなどのカップ容量の少ないマウスピースを合わせるとコンパクトでウッディにコロコロ、ポーっと鳴りますし、BACHに限らず色々なタイプのマウスピースの個性を引き出します。全般的に繊細でしなやかな表現が得意だと思います。各部固着なくピストン、スライドともスムースで気密性も良好です。現状で凹みはなく、修正跡も見受けられません。同モデルとしては珍しいローブラスですが、これはSPをカスタムしてローブラス仕様に変更したものと思われます。写真のダブルのハードケースでお送りします。